上咽頭癌(がん)闘病記録 治療とQOL
治療 (入院生活 3月)
ここでは私の闘病生活を載せていますが、決して不安をあおり立てるものではありません。誇張もしないようにしています。ただし現実問題かなり辛いものでした。闘病と表現されるほど覚悟は必要です。それはがんという病が 私達の体をどれだけむしばむ病気であるかを実感しなければなりません。上咽頭がんは日本での事例が少ない病です。しかし最近の医療技術の進歩と情報の共有化で克服出来る病になってきていると思います。主治医に託して看護師さんたちに甘えて治療を進めていけば良い結果が得られると思います。尚、私が入院した病院では痛みの加減を数字で表現させられました。10段階で看護師さんに伝えますが、最初はどのレベルで伝えていいか迷ってしまいますが、看護師さんたちは状況を把握して理解してくれます。

3月1〜2週
  抗がん剤 放射線 TS1 治療 症状 生活
      薬:ムコスタ、マグラックス、ノバミン、ハイペン、オキシコンチン、リボトリール    
          週末は外泊。
           
        頭痛と吐き気は伴っていたが、薬で吐き気がおさまってくる。  
      今後の方針を主治医から説明される。放射線治療と化学療法(抗がん剤)の治療法。    
    抗がん剤(アクプラ)の点滴を行なう。(10:00〜21:00)1クール目    
    TS-1の服用も始まる。    
    放射線科でマスク作成。放射線治療で、頭の位置を固定するためのマスクを作る、治療台に寝て、放射線の当てる位置に印をつけて治療を行なうことになる。午後から吐き気止めの点滴を行なう。 吐き気がひどくなり、放射線科から戻ってきて吐く。昼食でも吐く。  
        ずっと寝る。
         
入院前から疼痛コントロールの為に薬を数種類飲んでいたが、入院と同時にさらに薬が増える。金曜日に入院を行なって早速週末は家に帰る。月曜から入院でも良かったが。薬のおかげで吐き気が治まってきた。主治医から今後の治療方針を聞かされる。上咽頭がんは頭蓋骨が被さっている場所なので手術は出来ない。治療法は放射線治療化学療法の併用となる。最初に抗がん剤(アクプラ)の点滴を行なうが、人生初めての点滴は3本受けてまる1日かかってしまった。翌日からTS-1の服用も始まり、2日目ぐらいから抗がん剤の影響で治まっていた吐き気がぶり返す。
放射線治療は具体的にどのような治療を行なうのか考えもしなかった。治療は機械の台に寝て顔を固定して照射を受けなければならないので、放射線科で自分用の固定 マスクを作成した。週末、吐き気はひどくなる。

3月3週
  抗がん剤 放射線 TS1 治療 症状 生活
         
  放射線治療が始まる。首から上咽頭までの範囲。計画では60グレイとなっている。    
  1日2.4グレイで、午前と午後の2回照射で、1回の照射は1.2グレイ。治療台に横たわり、マスクで顔を固定されて治療が始まる。目を閉じているので、当たり方はわからないが、ジーという音がして移動しているのがわかる。時間は1分ちょっと。 下痢を起こす。  
  夕方、胃カメラで検査。検査ですごくもがく。 この頃には、治療で喉が痛くなってきて、食事の味が分からなくなってくる。  
    この頃にコーヒーを飲んで、味がまるで分からない。  
        週末は外泊。
         
放射線治療が始まり、1日2回午前と午後に呼ばれて放射線科に行く。台に寝て顔にマスクを被せられて固定される。照射時間は1分から1分半ぐらい。目をつぶっているので当たり方は分からないが、ジーと音がしている。照射する量はグレイの単位で表される。治療計画では60グレイ。1回の照射は1.2グレイで1日2.4グレイとなる。 抗がん剤の影響で吐き気が起こったこともあり、胃カメラの検査を受けることになった。ただし私は過去にも1回受けたことがあるが、気管が敏感なのか喉を通過する段階でもがくほど余計苦しくなってしまう。以前あんなに楽な検査はないと言っていた知り合いもいたが、とんでもない。そして抗がん剤と放射線の副作用で喉も痛くなっている。外出して病院近くの喫茶店でコーヒーを飲んだが、ただ薬品臭く感じるだけになって味がしなくなっていた。喉の痛みに伴って味覚障害も始まった。おかずの硬いものはあまり食べられなくなってきたし、全ての味が薬品臭く感じるだけ。数日単位でバナナが大丈夫だったり、牛乳やヨーグルトが大丈夫だったり変化する。看護師さんがメニューのコントロールをしてくれるが食べられない。お茶漬けやおかゆも試みる。

3月4週
  抗がん剤 放射線 TS1 治療 症状 生活
  熱が出て点滴を行なう。 臭いに敏感になり、シーツ、枕、かけ布団、ティッシュペーパーなどどんな物でも臭いを感じて気持ち悪くなってしまう。 夜中には臭いに反応して、変な夢を見て起きてしまうこともある。
  吐き気が続き、点滴を行なう。
薬:ラックビー、プロテカジン、ハイペン、TS-1、リボトリール、アゼプチン
食事の前に喉の痛みを緩和させるシロップを飲んだり、うがい薬で喉を麻痺させる。  
  点滴。    
       
       
         
         
週始めに40度近い熱が出て点滴を受ける。喉は日増しに痛くなり、食事も味がさらに分からないし思うように取れなくなっていた。しかも臭いに敏感になり、石鹸・シャンプー・歯磨き・シーツ・枕・ベッドのあらゆる物の臭いが鼻について気持ち悪くなってしまう。食事は可能な限り取れるように麻酔入りのシロップを食前に服用しておかゆやお茶漬けにして食べるように努力したが、スプーン5杯ぐらい食べるのに40分以上はかかってしまうほどになっていた。
同時期に入院した隣のベッドの年配の人と親しくはなったが、入院当初はその人が具合が悪く徐々に回復してきたものの、自分が逆に喉の痛みが増して話すことが出来なくなってきていた。夜中によく同じタイミングで起きて(その人はトイレで、私は喉の痛みで)、よく心配してくれた。その人は糖尿病で入院。夜中に意味不明の寝言を聞かされて思わず笑ってしまったことも。しかしその瞬間激痛が走る。またこの頃は支離滅裂な変な夢をよく見るようになり、必ず周りの臭いが夢と被さり、目が覚めた。

3月5週
  抗がん剤 放射線 TS1 治療 症状 生活
      腹痛。  
         
    放射線の当て方が変わる。24グレイ終了。範囲が狭まったらしい。    
         
         
        外泊、最寄り駅から家までの徒歩がきつくなっている。
        喉の痛みがさらに増してくる。 外泊するが体がだるい。
桜が咲いていた時期であったが、病室の窓から遠巻きに咲いているのを眺めるだけの毎日であった。完全に寝たきりの毎日が続いていた。体力は消耗している。体重も10キロほど落ちて、首の肉も落ちて細くなっている。もう数週間たつのに、意外と看護師さんたちの名前が覚えられないでいる。毎日ローテーションで交代しているのと辛い方が大きかった為だろうか。ノートに名前を記録する。隣の人は良く看護師さんと話をしている。色んなタイプの看護師さんがいて自分も話したいんだけれど。この週末は一人で家に帰ったが、最寄の駅から通常は20分で帰れる距離が途中で疲れて歩けなくなってしまった。道沿いのベンチで休み、水分を補給する。とにかく口が渇き、喉が痛い。桜も満開だったが、眺めるゆとりも無かった。家に帰っても寝てるだけ。週明けに病院に戻って看護師さんに「無事に帰ってこられて良かった、心配してたよ」と言われたほど。

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