副作用と疼痛ケア
私の治療は抗がん剤の投与3回(3クール)、放射線治療、TS-1の服用で、それらの副作用が発生しました。TS-1服用にあたって「服用のてびき」を一読すると他の抗がん剤や放射線治療との併用でさらに強く出る場合があると注意書きがありました。副作用は個人差があるものの治療を受けて薬を服用すれば避けられない事実です。そして普段飲む薬の副作用とは比較にならないほどヒドイ事になります。それをどのようにして軽減するかは医師や看護師さんたちとのコミュニケーションで生まれてきます。私は担当の看護師さんから、○○さんは辛いのを我慢してあまり言わないのでミーティングの時に大丈夫かなと話し合っていたんですよ、と言われてしまいました。それでも度々ナースコールはしていたし、限界を感じて対応もお願いしていたし。でも、振り返ってみれば、病院内は自分よりもっと辛い病と闘っている人もいるんだと思っていて、それであまり要求しなかったところもあったと思います。しかしやはり遠慮は無用だったかも知れません。ここに載せている副作用は書籍などで紹介されているもの、私も体験したものですが、これ以外にもさらに症状がありますので、確認してみてください。


抗がん剤による副作用
血小板減少
血小板は血液凝固の役目があり、減少すると出血しやすく、止血しにくくなる。多分私も値が下がっていたと思うが、血液検査の結果で白血球減少の方が重視され、特に注意を要する問題にはならなかった。

白血球減少
感染症を起こしやすくなる。細菌やウィルスに対する抵抗力が低下する。入院中、口内炎を起こし、なかなか直らなかったのはこの影響を受けたのだろう。3ヶ月の退院直前と退院後の検査では数値が顕著に下がったため、何度も皮下注射を受けた。感染を避けるために人ごみを避ける、手洗いやうがいをする、マスクをするなど対処する。

吐き気・嘔吐
入院中、3回(クール)抗がん剤を投与したが、1回目は2日目以降、激しい吐き気、そして嘔吐も始まる。2クール目は吐き気止めの薬も投与していたが、やはり吐き気は発生し、少し落ち着いていられたのは3クール目だった。しかし、TS-1による副作用での吐き気も何度も起きてしまった。

貧血・立ちくらみ
当然抗がん剤を投与すれば骨髄抑制・白血球の減少も生じているので、それが元での貧血やめまい、倦怠感も引き起こしていた。

便秘・下痢
入院2ヶ月目ぐらいには1週間も便が出ない時があった。あまり食事の量も多く取れなかったが、そうなると腹痛も伴ってきた。激しい下痢も3ヶ月目に体験。脱水症状にも注意が必要となる。

味覚障害・口内の渇き・喉の痛み
放射線治療において喉の粘膜が蒼白になり乾燥する。唾液腺も損傷を受けてドライマウスとなる。照射を首全体から鼻まで受けていたので、喉の痛みが増して味覚の変化が一番ひどかった。大体の患者さんが放射線を途中で中止するというほど、喉の痛みは激しい。口内が渇くことで余計ヒリヒリ感はする。毎週数回、診察があるが、ひどい時にある先生に「喉がぐちゃぐちゃですね」と言われた。ぐちゃぐちゃとはどういうことかを尋ねたら、「喉が全体的に真っ白です」と言われた。食事が全く取れなかった頃の事。喉の損傷と口の渇きが相まって食べ物本来の味は完全に失われていた。

食欲不振
味覚障害や喉の痛みに伴い食事を取ろうと思っても食べられない状況がずっと続いた。さらに副作用で食事を取る意欲も失せてきたので、食事の時間に不安を感じるようになり体力はかなり減退していった。体力を落とさないためにも少量でも取るように心がけるのが必要。

口内炎
白血球減少での症状の一つとしてあげられている。口内が渇いて食事が取りづらい中で出来た巨大な口内炎がなかなか直らず辛かった。

脱毛
がんの治療で、最も気にされている副作用。抗がん剤での副作用だが、上咽頭がんの治療では影響ないのだろうか。私の場合、頭髪は抜けなかった。その代わり、放射線治療で照射されていた部分で、もみ上げから頬、顎の手前までの髭が抜けた。2週目ぐらいからだっただろうか、シーツに黒く点々としたものが見られて、そのうち頬がツルツルになった。それらが髭だった。これはかえって良かったと思うが、退院5ヶ月後には段々元に戻りかけている。女性の場合、乳がんなどの抗がん剤ではそっくり抜けてしまうようで精神的にダメージを受ける副作用。放射線科の待合室で頭に帽子などかぶっている人も見受けられた。

筋力低下・筋肉痛
入院中、動くことへの意欲が低下して殆ど歩く事も無くなってしまい、体重も10Kg以上落ちて、体中の筋肉も落ちてしまった。シャワー室で鏡を見て、自分の姿に驚いたぐらい。体力も随分無くなっていたし、たまに歩く時間が長くなると筋肉痛にもつながった。

その他
色素沈着、発疹、しびれ、発熱など、他にも症状が出ることがある。


TS-1 副作用
アクセスのキーワードでTS-1の副作用が見受けられるのと、質問もあったのでまとめてみました。入院時に貰った手引きの内容からの抜粋で、TS-1の副作用の程度は人によって様々なので、参考程度に受け止めて下さい。
  症状 割合
1 白血球減少 40~50%
2 貧血(ヘモグロビン減少) 30~40%
3 血小板減少 10%
4 食欲不振 30~40%
5 はきけ 30%
6 下痢 20%
7 口内炎 20%
8 色素沈着 20%
9 発疹 10%
10 間質性肺炎 300人に1人
その他    
感 染 喉の痛み、発熱  
出 血 青あざ  
貧 血 めまい、立ちくらみ  
呼吸器 息切れ、せき、かぜ様症状  
口内炎 広範囲の口内炎  
消化器 激しい腹痛や下痢  
肝 臓 体がだるい、目や皮膚が黄色くなる  
腎 臓 尿量が減る、顔や手足がむくむ、血尿  
神 経 しびれ、したのもつれ、歩行時のふらつき  
皮 膚 発疹、水ぶくれ、粘膜のただれ  
筋 肉 手足に力が入らない、筋肉が痛い  
臭 覚 においが分かり難い  
心 臓 胸が痛む、動悸  
TS-1単体でも以上のような副作用がみられる。 さらに抗がん剤や放射線治療も相まって副作用は増幅される。 私の場合は、 1と3の症状が入院3ヶ月目から退院後も顕著に現れた。 4は放射線治療で喉のダメージがひどくなってしまったので、食事を摂る意欲も失せた。 5は抗がん剤との影響が大。 6は激しい腹痛も伴って起こった。 その他、口内炎も今までに体験したことが無いほど広範囲で長引いた。 立ちくらみ・意識喪失を一時退院の5月に体験したが、この薬の影響が大だと思う。 軽い症状も思い起こすと殆ど体験しているような気がする。TS-1の効果は私にとって大だったと思うが、医師もQOLの観点から退院後は薦めていない。


疼痛ケア
疼痛(とうつう)という言葉を知ったのは病気にかかってからで、しかも具体的な意味を知るのはもっと後になってからでした。入院前の診察で薬の種類の説明を受けて、その時は頭痛が辛かった事と、聞いても頭の中で???が飛び交っていただけでした。疼痛ケアでの薬の分類は下記の3分類に分かれているようで、症状に応じて鎮痛薬の強弱をコントロールしていきます。私が服用した薬も表に記憶の範囲でまとめてみました。どれがどの分類に属しているかは分かりませんが、放射線や化学療法(抗がん剤)によって起こった副作用の症状に対して疼痛コントロールに使用された薬の変更が大体つかめると思います。
疼痛ケアは病気でもたらせられた身体的・肉体的苦痛以外にも精神的な苦痛も含まれてきます。また患者本人ばかりでなく家族も苦痛を共にする訳ですから、本人の環境を考えた疼痛ケアもとても大事と思います。緩和ケアという言葉も見受けられます。

WHOラダー
分類
1. 非オピオイド(NSAIDs) バファリンなど
2. 弱オピオイド(コデイン)
3. 強オピオイド(モルヒネ)
疼痛コントロール(1)
第1段階:NSAIDs ± 鎮痛補助薬
第2段階~:オピオイド + NSAIDs ± 鎮痛補助薬
疼痛コントロール(2)
① 抗けいれん薬
② 抗うつ薬
③ ステロイド
④ 抗不整脈薬
⑤ ケタラール(全身麻酔薬)

1日
回数
2月 3月 4月 5月 6月 11月
薬の効能(渡された”おくすり説明書”の説明より)
 
カロナール 3                         解熱、痛みを抑える
クラリシッド 1                         細菌を殺し、感染症を治療(マクラロイド系抗生物質)
ムコダイン 3                         痰や鼻汁の切れや排泄、滲出性中耳炎の水を排泄
レフトーゼ 3                         副鼻腔炎、けがなどの炎症を抑える、痰の切れをよくする
ロキソニン                           痛みを和らげる、炎症を抑える、解熱
ムコスタ 3                       胃の粘膜を保護、修復作用
ノバミン 3                         吐き気や嘔吐を抑える
リボトリール 1                         発作を抑える、不安や緊張を抑える
オプソ
(強オピオイド)
                          強い痛みを和らげる
オキシコンチン
(オピオイド)
2         強い痛みを和らげる(オピオイド)
ハイペン
(NSAIDs)
2           痛みを和らげる、炎症を抑える
マグラックス 3               便を柔らかくする、胃酸を中和
アクプラ                       抗がん剤(点滴)
吐き気止め(不明)                       吐き気を抑える(点滴)
ティーエスワン 2       抗がん剤:腫瘍に対する抵抗力を高める
(効果は期待出来るが、腹痛など副作用に悩まされた)
プロテカジン 2       胃腸障害を改善、潰瘍を予防
(ティーエスワンと同時に服用)
アゼプチン 2           放射線による粘膜症状を改善
アズノールうがい液                 炎症を和らげるうがい薬
アロプリノール含嗽水                       口中や舌の炎症を抑えるうがい薬
ゾフランザイディス 1                       強い吐き気や嘔吐を抑える
アルロイド 3                   胃腸の止血、粘膜を保護
サリベート                           唾液の代わり
(口中の渇きの緩和で出してもらったが効果は無かった)
ポンタールシロップ                       炎症やはれ、痛みをやわらげる
(喉の痛みで食事が取りにくいのを緩和、食前に服用も)
坐薬(不明)                       (薬を飲むにも喉の痛みがひどかった時に出してもらった)
ツムラ十全大補湯                           体力を増強
(激しい腹痛と下痢が起きてしまったので直ぐ中止)
口腔用ケナログ 適時                         口腔内の痛みを改善
(口内炎塗布用:口内炎が長引き、使用)
アフタッチ 適時                         口腔内の痛みを改善
(口内炎貼付用:口内炎が長引き、使用)
ラックビー微粒                           腸の働きを整える
ユーエフティー 3                         抗がん剤:免疫を調整 (~2008年4月)

それぞれの薬の詳細な解説がこちらのサイトで紹介されていますので、参考にされてみてください。

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